一般皮膚科
一般皮膚科
さまざまな皮膚の病気に対する保険診療です。
頭から足先の、皮膚だけでなく髪や爪の病気にも対応いたします。また、必要に応じて血液検査、皮膚生検(皮膚の一部を採取して診断をより確実なものにする検査)、ダーモスコピー(拡大して皮膚を詳しくみる)など詳しい検査も行います。
原因は、かぶれ、アレルギー、アトピー素因、薬疹、ウィルスなど様々ですが、中には原因がはっきりしないものもあります。かゆみや赤みを伴うことが多く、患部を掻いてしまうことによって範囲が広がってしまうことがあります。
治療は、かゆみや炎症を抑えるステロイド剤や保湿剤などの外用や抗ヒスタミン剤などの内服を行います。
皮膚に直接触れたものが原因となって起こる炎症や湿疹をかぶれ(接触性皮膚炎)と言います。
化粧品、毛染め料、香水、アクセサリーの金属、植物、果実、外用薬・消毒薬・点眼薬など、身のまわりにある無数のものが原因になり得ます。美容室の毛染め、カラーリング剤による手湿疹や、花屋さんの植物による手湿疹なども原因となることがあります。
原因を特定する場合は、「パッチテスト」を行います。パッチテストとは、原因と思われる物質を皮膚に貼りつけて反応を見る検査です。
治療は、原因物質に接しないようにし、かゆみや炎症を伴う場合はステロイド剤や保湿剤などの外用や抗ヒスタミン剤などの内服を行います。
全身の乾燥肌と、額、目の周り、首や肘・膝裏などの関節部位に繰り返すかゆみのある湿疹が主な症状です。
生まれつき皮膚のバリア機能が弱くアトピー素因がある人に、日常の様々な刺激が原因となって湿疹が生じます。2ヶ月以上湿疹症状が継続し、アトピー素因(気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎の家族歴やアレルギーを起こしやすい素因)があれば、アトピー性皮膚炎の可能性が高くなります。
主な治療は、日本皮膚科学会のガイドラインに基づいて保湿剤やステロイド剤や免疫抑制剤などの外用や抗ヒスタミン剤などの内服、さらには紫外線療法(エキシプレックス308など)を行います。重症な方には免疫抑制剤(シクロスポリン)の内服が必要なこともあります。
完全に短期間で治すことはできませんが、根気よく正しいスキンケアの治療を行うことで、症状をコントロールすることができます。いったん症状が治まっても何かのきっかけで湿疹が再発することが多い病気です。適切な治療、スキンケアを継続することで皮膚のバリア機能を少しでも正常に保つよう日頃のケアを継続して行うことが大切です。
皮脂欠乏性湿疹ともいわれ、皮膚表面の油分が減少することにより皮膚の水分が減少して、乾燥を生じてしまう状態です。かゆみを伴い、掻くと悪化して湿疹を生じてしまいます。
治療は保湿剤によりしっかり保湿を行いますが、悪化して湿疹を生じている場合はステロイド剤の外用や抗ヒスタミン剤の内服を行います。
原因は皮脂の成分(トリグリセリド)が皮膚に常在している菌(マラセチア菌など)によって分解され、分解された物質(遊離脂肪酸)が皮膚に刺激を加えることによって生じます。
頭皮や髪の生え際や顔(特に眉や鼻の周り)、耳の周りにカサカサとしたフケのようなものが剥がれてきたり、ときに炎症を起こして赤くなったりします。
治療は、まずは毎日の石鹸やシャンプーによる洗浄により清潔に保つことが大切です。さらに軽度であれば抗真菌剤の外用を、炎症を起こしていればステロイド剤の外用を行います。
かゆみの強い、蚊に刺されたような赤く盛り上がった発疹が数時間~24時間以内にできては消えていく皮膚疾患をじんましんと言います。
一般的には、食べ物を食べてじんましんが出たといったイメージが多いようですが、食事をはじめとして、薬物・ハウスダスト・ダニ・カビ・温度変化・日光・機械刺激・ウィルス感染・ストレスなど様々な要因が関係しています。
検査としては、血液検査IgE RAST法や一般血液検査を行うこともありますが、原因が特定できないことが少なくありません。
主な治療は、抗ヒスタミン剤の内服を行います。
かゆみや痛みは伴わない、皮膚から盛り上がっている小さなできものです。
ヒトパピローマウィルスの感染により発症します。ウィルス感染のため、放置すると拡大したり、また家族内にも感染することがあります。
治療は、液体窒素療法、外用療法、内服療法、炭酸ガスレーザーなどを行います。いぼの治療は1回で完治しないことが多く、複数回の治療が必要となることが多いので、根気よく治療を継続する必要があります。特に足裏のいぼは難治なことが多いです。
足の決まった場所に慢性的な刺激を受けて角質が厚くなることで発症します。一般的にうおのめは中央に芯があり、痛みを伴う傾向があります。
治療は、メスなどで厚くなった角質を削りとります。再発予防のために外用治療を行うこともあります。また小児では、たこ・うおのめの様に見えて、実はウィルス感染によるいぼ(尋常性疣贅)だったということがしばしばみられます。
白癬菌(はくせんきん)というカビ(真菌)の感染により発症します。
足の指の間がふやけてかゆかったり、かかとがガサガサでひび割れたり、爪が白くもろくなったりします。
検査は、角質あるいは爪の一部を採取して顕微鏡で白癬菌を確認することが必要です。
治療は、抗真菌剤の外用や内服(爪水虫の場合)を行います。爪水虫の場合は治療期間が長くなるため(1年近く)、皮膚科での正確な診断を受けてから治療を開始することをお勧めします。また抗真菌剤はかぶれを起こしやすく、その場合はお薬の変更が必要になります。
単純ヘルペスウィルスの感染により発症します。口内や口のまわりにできる1型と外陰部やおしりなどの下半身にできる2型の2種類があります。
初感染で口内や外陰部に小さい水ぶくれが生じた場合は、高熱と激痛を伴います。再発時には、疲れがたまった時などに、小さい水ぶくれが出来てピリピリとした痛みを伴います。
治療は、抗ウィルス薬の内服や外用を行います。発疹の出る前にチクチクする感じなどの予兆が出ることが多く、その時点で内服を始めると治りが早まります。しかし単純ヘルペスウィルスは一度感染すると神経節に潜伏するため、疲労、ストレス、風邪などによって免疫力が下がると再発を繰り返すことがあります。
みずぼうそう(水痘)のウィルスである水痘・帯状疱疹ウィルス(VZV)が、加齢、疲労、他の疾患、手術などによって免疫力が低下した時に再活性化することによって発症します。
体の片側の一定の神経支配域に沿って、痛みを伴った水ぶくれが帯状に生じます。治療開始が遅くなるほど、帯状疱疹後神経痛という神経痛が長い間残ってしまうことがあり、早期の治療開始が大切です。
治療は、抗ウィルス剤の内服や点滴が必要です。また痛みに対しては、鎮痛剤などを内服します。万が一帯状疱疹後神経痛が残ってしまった場合は、内服薬による痛みのコントロールも必要になります。
直接的な原因は、①皮脂の過剰な分泌、②毛穴の詰まり、③アクネ菌の増殖などです。過剰に分泌された皮脂が毛穴に溜まり、面皰(めんぽう)という状態になります。この毛穴に溜まった皮脂を栄養源にして、アクネ菌が増殖していき、赤く炎症を起こしたにきびとなります。
大人のにきびは、ホルモンバランスの乱れ、睡眠不足、紫外線、ストレスや生活環境など、様々な要因が複雑に絡み合ってできることが多く、治りにくいのが特徴です。
思春期のにきびは、成長期のホルモンバランスの急激な変化が原因で発症します。
治療は、にきびの種類と重症度を判断し、抗生物質やアダパレン、過酸化ベンゾイルなどの外用や抗生物質の内服などを行います。にきびを放置しておくとにきび痕や色素沈着が残ってしまうので、早めの治療をお勧めします。
比較的境界のはっきりした赤い発疹で、銀白色の麟屑(カサカサした厚いカサブタ状のもの)が付着し、かゆみを伴うこともあります。発疹は主に慢性的かつ機械的な刺激を受けやすい頭部、肘・膝、臀部、下腿などにできます。皮膚以外にも、爪の変形や関節炎を伴うこともあります。
はっきりとした原因はまだわかっていませんが、体質的な要素(遺伝的素因)に気候、ストレス、風邪、喫煙、飲酒、食生活などの外的因子と糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、肥満などの内的因子が加わって発症すると考えられています。
治療は、塗り薬(ステロイド、活性型ビタミンD3、保湿剤など)、飲み薬(シクロスポリンなどの免疫抑制剤やチガソンなど)、紫外線療法が一般的です。
手のひら(手掌)や足のうら(足底)に水ぶくれ(水疱)や膿み(膿疱)が繰り返しできる病気です。膿みの中に菌は入っていないため、人に感染することはありません。
原因ははっきりわかっていませんが、喫煙、扁桃炎などの細菌感染、虫歯、金属アレルギーなどが誘因と考えられています。
治療は、禁煙、病巣感染の治療に加え、塗り薬(ステロイド、ビタミンD3)、紫外線療法を行います。
皮膚の一部が脱色されたように白く色が抜けてしまう疾患です。
皮膚の基底層に分布するメラノサイトが何らかの原因で減少、消失するためといわれています。その原因には諸説あり、大きくわけて『自己免疫説』と『神経節』がありますが、詳細は明らかになっていません。現在わかっていることは、表皮の基底層や毛母に存在するメラノサイトが破壊されるか、機能が停止することによってメラニンが作れなくなっていることです。
徐々に白斑が広がることも多く、手のひら、足の裏をのぞき、全身どこにでも発症しえます。
尋常性白斑はうつる病気でもありませんし、白斑があるからといって健康を害する病気ではありませんが、美容上、社会生活上のストレスの原因となり、悩む方がおられます。
治療はステロイド剤の外用などで、効果が乏しい場合は紫外線療法も行います。
やけどをしたら、すぐに冷水で30分程度冷やしましょう。
やけどの深さによって異なりますが、赤みや水ぶくれができたら早めに皮膚科を受診しましょう。傷口から細菌が入って感染を起こしたり、また傷が深いと痕が残ることがあります。
特に注意が必要なのは湯たんぽやカイロによる低温やけどです。低温やけどはゆっくりと深い組織まで損傷することもあり、治るまで何ヶ月もかかったり、手術が必要になることもあります。
毛髪が抜ける病気ですが、年齢は幼児から高齢者まで、症状は軽症から重症まで、広い幅があります。円形に1ヶ所抜けた場合は単発型、脱毛斑が複数できると多発型、頭全体に及ぶと全頭型、眉毛・睫毛・体毛まで抜けると汎発型と分類されます。軽度のものは数ヶ月で自然治癒することも多いですが、難治性や再発性のものもあります。
治療は、ステロイド剤外用、塩化カルプロ二ウム外用、内服治療、紫外線療法などを行います。